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2年半をかけて完成 -月曜コース-


LAPIS自慢の桜の借景が楽しい

春がやって来ました。



そして、約2年半をかけて制作したMAさんの

額縁と古典技法見本板8枚が完成しました。


額縁制作会社にお勤めで日々額縁木地を

作っておられるMAさんですので、

手先はとても器用、そして根気と集中力は

さすがです。

はじめて古典技法で、2015年の秋から

まずは額縁つくりから開始しました。


そして様々な技法を小さな1枚の板に作って

いわば「古典技法サンプル」が完成しました。

一通りの技法を経験して、好きな技法も見つかりました。

卵黄テンペラでクリヴェッリの部分模写、


大理石模様のフォーフィニッシュ、


水性モルデンテ(箔用糊)でミッショーネ、

卵黄テンペラでグラッフィート。

箔の上に絵具を塗って、絵具層を削って模様を描きます。

などなど8種類すべて違う見本板を作りました。

長い時間がかかり完成した姿を見て

達成感は言わずもがな、ですね。

お勤め先の社長もとてもお喜びだそうで

しばらく会社に飾られるとか。

MAさん、すばらしい作品を完成させてくださり

ありがとうございました。

今回見つかったお好きな技法を駆使して

素敵な古典技法額縁をぜひ制作してください!



# by vaneyke | 2018-03-29 07:27 | 絵画+額縁

道具を作ろう!さらにもうひとつ -月曜コース-

このところ月曜コースの生徒さんの間で

古典技法の箔作業では欠かせない道具である

箔板(箔盤、箔床、箔台、色々な呼び名。

金箔等を切るクッション状の台です。)

を作ることが流行っています。

作っている生徒さんの様子を見て

他の皆さんも作りたい!となるようです。

これはとても嬉しいことです。

制作は自分の世界にこもりがちになるもの。

おおいに他の人からの影響を受けて

興味の幅を広げて頂きたい、

LAPISを切磋琢磨する場にして頂きたい!

と思っています。

さて、今回はNAKさんの箔板です。

こちらで紹介する箔板作りは3回目(3人目)。

そして完成した箔板も、本当にそれぞれです。

十人十色とはこのことですね。

NAKさんの選んだ革は、とてもやわらかくて

鮮やかなピンク色。テープは淡い若草色。

下の写真は太鼓鋲の打ち始めです。

金の太鼓鋲もきらりと輝いています。

まずは四隅を打ってから等間隔に打ちます。





太鼓鋲は金にする?銀にする?

迷った結果、両方!

NAKさんが現在制作中の額縁も

サーモンピンクと金の組み合わせですから

やはりお好みが表れているのです。

MAさんは職人風でハンサムな板

ISHさんはクラシカルで優雅な板

そしてNAKさんは明るく華やかな色の板。

いやぁ、どれもこれも素敵!

美しい道具は見ていて心躍ります。

NAKさん、美しい道具を作ってくださり
ありがとうございました。
この箔板を使っての作業が楽しみですね!






# by vaneyke | 2018-03-18 17:23 | 絵画+額縁

「悲しみの聖母」   ー土曜日コースー




「悲しみの聖母」   ー土曜日コースー_c0041864_08324240.jpg
かなり以前になりますが、MMさんが「悲しみの聖母」のテンペラ画がおおよそ描きあげられました。

「悲しみの聖母」   ー土曜日コースー_c0041864_08325862.jpg
MMさんは昨日ようやくその額縁が完成しました。
その額縁は同じアーチ型で周囲には画面にもある星を暗示するオーナメントを配しています。
画面全体が小さな可愛らしい星に囲まれて気品のある全体が出来ました。
額縁に入れると雰囲気がガラリと変わります。欧米では室内装飾の一部としてかなり額縁の研究が進んでいますがわが国ではまだまだこれからのようです。
こうしてみると絵画の方の色味などを加筆する必要がありそうです。
更なる高みに向かうのがまた、楽しみです。


# by vaneyke | 2018-03-04 08:46 | 絵画+額縁

道具を作ろう!もうひとつ -月曜コース-


昨年2017年12月にご紹介したMAさんの箔板作り

(箔床、箔台、箔盤、呼び名色々・・・)を

ISHさんもチャレンジです。

材料、手順はMAさんのトピックをご覧頂くとして

今回は前回ご紹介しなかった裏の処理を。

ガンタッカーで革を板裏に打ち付けたら

四隅に余った革をハサミでカットします。

革が重なると箔板を机に置いた時に不安定ですし

見栄えも良くありませんから、

ていねいにカットしましょう。



ちなみに、タッカーを板裏ではなくて板の側面に

打てば良いじゃない?その方が裏がきれいでしょう?

とのご意見もあるでしょう。

上手に打てれば側面でももちろんOKです。

ただ、体重をかけてタッカーを打ち込むので

少々難しいこと、そして側面には太鼓鋲も打つので

それらを考慮して、側面ではなく裏をお勧めします。

今回は少々毛足のながい革でした。

こんな時は紙やすりをくるくると円を描くように

しっかりかけましょう。

そしてベビーパウダーもしっかり叩き込んで。

さて、仕上げです。

側面にはダークレッドのリボンを巻いて

すてきなデザインの太鼓鋲2種を交互に打ちます。



完成品はルネッサンス時代の豪華な椅子や

馬具を思わせるような雰囲気になりました。


ダークブルーとダークレッド、そして真鍮。

手作りならではの遊び心ある美しい道具ができました。


ISHさん、この箔板をつかっての箔作業を

わたしも楽しみにしております!




# by vaneyke | 2018-02-14 21:09 | 絵画+額縁

TAさん オーナメント模刻 -月曜コース-

今日ご紹介するのはTAさんの彫刻です。

果実や葉を組み合わせた

オーナメントを模刻する練習。

わたしがイタリア留学時に作った物を見本に

アユース材を彫ることにしました。

2017年の10月末、見本から

デザイン画を描き起こすことから開始です。


わたしは大雑把に直接木地に

下書きをして彫り始めますが、

こうした正確な図面があると

見本が無い自宅作業も可能ですね。

木地は四角柱でしたので

カマボコ形に削り出してから

具体的に掘り進めます。


葉の内側に入り込んだ実を彫るときなど、

彫刻刀を入れる角度を考える必要があります。

木地に対して垂直方向に彫刻刀を進めると

実が小さくなってしまったり

逆に外に開き気味になりますから

頭の中に3D完成図を入れてから 掘り進めましょう。



さて、2018年1月になりました。

ふたつ並べて確認中。

ひだりがTAさんの作品、右が見本です。


これから石膏を施して

金箔を貼り磨く計画だそうです。

クリスマスに合う飾りが出来そう!

見本より長い木地でしたので

下部をどうしようかな?と思案中。

リボンを彫るか、茎を彫るか、

はたまた絵を描いてみるか?

これまた楽しい悩みですね。

まずは模刻完了です。

お疲れ様でございました!


# by vaneyke | 2018-01-26 11:12 | 彫刻